列車事故で… 投稿者:息吹山女 2005/05/01(Sun) 03:47 No.279 [返信]
亡くなられた方々のご遺族の心中は、察せようもないほどの悲しみと悔しさと絶望で覆われている事と思います。 家族や知人を愛すればこそ、人として当然の感情ですし、「殺された」と思いJRや同事故で死亡された運転士を恨む事も当然かと思います。 そのお気持ちを否定する気はまったくない! と前置きした上で… 最近、人が亡くなると、責任の所在を明らかにして誰かを断罪しなければ気が済まない風潮が強いよな~と、前々から思っていた事を、またふと思いました。 昔は「不幸な事故で…」「もう御歳だったからね…」という言葉で死亡原因を納得する人がわりあい多かったと思うのですが、最近は医療の発達・進歩とともに、死亡原因が仔細に究明され、どんな病気だった、何が悪かった、誰が悪かった、とわかる事によって、原因となった人を責めたり訴訟を起こしたりする例が昔よりも明らかに増えていますよね。 赤ん坊が突然死んでしまう事も、お年寄りがあちこちを悪くして死んでしまう事も、原因が究明されると責任者が過失を責められるようになった。 医療訴訟は、医療の現場が悪い、という以外にそういう理由もあって増えているのだと思います。 もちろん責められて罪を償わなければいけないようなケースも多々あると思いますが、「人は皆いずれ死ぬ」という自然の摂理を人間達が受け入れられなくなってきているのかな~と思うと、それも怖いです。 数年前に祖父が亡くなった時、直接の死因は多分癌でしたが、「もうおじいちゃんは歳だったからね…」「大往生じゃないか」と皆で慰めあい、祖母も、祖父が病院へ運ばれて亡くなったために「病院に殺された」と感じていたそうですが、それで医師を責めたりはしませんでした。 だって本当にもう御歳だったんですから…どこか悪くなっていても仕方がないし、医療で救える範疇にも限界がありますから…。 新しい箸を咽に突き刺して死んでしまった子もいましたが、なぜそんな事故が起こらないようにきちんと見張っていなかったのか、とその場にいた大人を責める人はおらず、「不幸な事故」として記憶に残されています。 偶然にしろ必然にしろ、悲しい事に人は予期せず死んでしまう事があります。 今回の事故で悲しみに暮れるご遺族にそれで納得しろとはもちろん言いませんが、「人は、死んでしまう」…その当たり前の事、自然の摂理を、人類が受け入れられなくなって来ているとしたら、ゾッとします。 昔の覇権者のように、ありもしない、不老長寿の薬を求め出したみたいで…。 今現在、脳梗塞で倒れたきりずっと植物状態の大叔父と、好きな酒や煙草を飲みながら余命を楽しく生きる末期癌の伯父がいて、いろいろ私も考えさせられます。 不幸にして今回の事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。 でも、記者団がJRを口汚く罵るのって変ですよね。 死亡した運転士の顔写真が新聞だか雑誌だかに掲載されたという話を聞いて、そして運転士のご家族(その方々もご遺族ですよね)を追い掛け回していたという話を聞いて、心底奴らの心根に胸糞悪くなりました。 お前ら悪を裁く正義の味方気取りで事故原因も究明されていないというのに犯人を断罪しようとしているのか!?と…。 思い出話に人生観まで語ってしまって長文カキコすみませんでした。 --------------------------------------- 時々ふらりと訪れては散漫な長文カキコをさせて頂くもじもじスケッチさんの掲示板より、コピペ+若干の改正加筆を加えた文章。 列車事故について多くの人がブログなり日記なりでご自分の意見を書かれていらっしゃるが、私はその方々と空気を共有できないような気がして自分では殊更取り上げなかった。 「許せない」という気分は当事者(この場合被害に遭われた方やご遺族・関係者の方々)になってみないとわからないし、当事者でもない者が憶測や思い込みで当事者の気持ちを代弁するような事を私はあまり好まない。 「義憤」という言葉が私には遠いものに感じる。 震災であったり事故であったり、突然多くの人が死んでしまい、そして自分がその外野にいると、悲しみに、もしくは憤りに暮れる人々を見て、私が思う事は「無常」なのではないだろうか。 私を置いてこの世を去った人々は、私に「どんな形であれ、いつか人は死んでこの世から消え去ってしまうんだよ」と教えてくれたような気がする。 初めて身内の「死亡」に対峙した時、私はただボーゼンとするばかりで自分に悲しいという感情が湧き上がってこない事が不思議に思えた。 普通、人は身内の者が死んだ時には嘆き悲しむはずなのに、私は不感症なのかと思った。 (だって漫画やドラマでは遺族は悲壮な嗚咽を上げているし) 後に母から「あんたはあの時随分ショックを受けていた様子だった」と言われても、自分で自覚できない感情を認知する事は難しい。 高齢の身内が相次いで亡くなり、また大叔父のように元気だった人が突然倒れたりした時も、私は「ああ、人ってこうやって死んじゃうものなのか」と他人事のように亡くなる人達を見ていた。 と言うか見つめる事しか実際にできなかった。 口も聞けず寝たきりになった祖母を見ながら「ああ、この人はもう長くない…」と思っても、介護する叔母達を手伝う事や、祖母に話しかけながら(言葉が返ってこない相手に話しかけるのは結構大変なんです)手を撫で摩る事しかできず、何も延命の手助けをする事ができなかった。 医療に対する不信はあまりないが、人は死に対して基本的に抗う事が難しいと思う。 ただ、「死んでしまった」、その事実を受け止めるしかない。 多くの親族・縁戚を持ちながら、なぜかその多くの人々が不運な死因で亡くなっている。 しかし不思議と暗い陰惨な感じを関係者一堂誰も漂わせていない。 「まあ仕方なかったね」と言い、先祖一族を祀った家に住み続ける人もいれば、主が亡くなり喪が明けたらさっさと家を売り払ってしまった人もいる。 当人しかわからない。 そういう事なんだろう。 運は天に握られていて、明日は明日の風が吹く。 だから私は60年後の自分の生活よりも、今の自分の生活のほうが大事なのだと思う。 今の生活を犠牲にして賢く老後に備えても、いつ寿命の蝋燭の火が燃え尽きるかなんてわからないと思うと刹那的になってしまって。 私自身、危うく乗用車に轢かれかけた事も衝突された事もあったが運良く軽傷で済んだ。 友達なんか自動車にはねられ何mも宙を舞って地面に墜落したのに擦り傷で済んだんだとさ。 (それはそれで奇跡のようなすごい話) 「明暗を分けたものは一体…!」という見出しはいかにもマスコミ好みで視聴者も興味をそそられる話題だと思うが、そんなもの、結局のところ運じゃないかね、と思う。 まぁ、安全管理を怠っていたと見なされた場合、非難されてもっとも、仕方ない事だと思うが、私が義憤に駆られてJR西日本の安全管理体制(及び職員)を非難したり、はたまた現場で救出作業に当たった方々の段取りを批判したりしない理由は、結局のところ人の死に関しては当事者にしかわからん話だよなぁと一歩引いているからかもしれない。 ご遺族の方々が鬼畜のような報道陣の前で意外にも理性的な態度でいらっしゃる、という話を聞いた時、「突然お身内を奪われた怒りや悲しみを必死に堪える立派なご遺族の姿に感服する」というよりも、「大声で泣き喚きたくても全国の皆さんやJR職員関係者の前でも放映される手前、理性を保たせなければいけない、とカメラの前で悲しみを堪えさせられるご遺族」という残酷な絵柄に「どうしてお前らマスコミはそう無神経なんだ!!」と怒鳴りたい気分になった。 この事故に関するニュースも他のニュース同様あまり見ていないが、不快だったニュースは、ご遺族のどなたかが言ったらしい「1分や2分遅れたっていいじゃないですか」という言葉をタイトルに掲げて「1分や2分遅れたっていいじゃないですか…本当にその通りですねぇ」と福留がさも遺憾そうなしたり顔で語っていたニュース。 だったらお前は電車が遅れても何も文句言わないのかよ! そのせいで番組収録に遅刻しても文句を言うなよ? 誰かを責めて気が晴れるのは、お前ら腐ったマスメディアのハエ共だけ。 ご遺族の悲しみも、ネタとしての鮮度や旨味がなくなればコロリと忘れて新たなネタ探しに走る。 ご遺族にとっては一生忘れられないような、そして誰を責めても失くしたものは帰ってこないと絶望的にわかっている事なのに、「○○くんは××さんをいじめて傷つけました、許せないと思います、みんなの前でちゃんと謝るべきです」と己の正当性と自己満足を満たすためだけにここぞとばかりに学級会で溌剌と発言している坊やちゃんの如き幼稚さ。 それがいい大人のすることだから、本当に、浅ましい。 この件に関してマスメディア批判はするまいと思っていたのに、想定外だ。 「ご遺族」ではなくいまだ「失踪者のご家族」とされている拉致被害者の家族会に関しては「無常」の境地ではない。 彼らを長年苦しめ続けたであろう「多くの国民の無関心」。 なぜ、この事をマスメディアは放置しておいた。 国家ぐるみの明らかな犯罪事件を放置しておいて、不慮の事故では犯人を仕立て上げて吊るし上げて、悪を断罪する正義の味方気取りか。 「報道人としての使命感」って一体なんだろう。 マスメディアは「国民の声」を代表する必要はない。 大体自分達にとって都合のいい国民の声だけしか要らないんだろうし。 「事実」だけを歪曲せずに伝えてくれ。 人間だからある程度は仕方ないにしても、記者の主観はできるだけ排除してね。 ウザイしむかつくから。 私の物の考え方はおそらく非常に感覚的だと思う。 私の文章を「硬質」と評した人がいたけれど、バランス的にそれでよかったかも。 これで文章がぐにゃぐにゃクネクネしていたらさぞかし読みづらいだろうな…。 つーかもう3時? いくら休みとは言えまた体調壊すよー。 誰が何と言ってももう寝るぞ!
by yuzuruha_neko
| 2005-05-04 03:10
| 今日のニュース・雑考
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