足利事件の「真相究明」は無理っぽいよ菅家さん
ウェブソースを探す気力がないけど今日の朝日新聞(夕刊)の一面に載っていた記事。
当該記事を読む限り、「真相の究明を」と言ったのは菅家さん本人である。
率直に「無理じゃね?」と思ったし、菅家さんの無実を証明できたら「真相を究明」したことになるんだったら菅家さんもいい根性してるよな、と鼻で笑ってしまっても仕方がない。
マスメディアがおおっぴらにしたくないらしい「菅家さんは知能に著しく問題がある」ことを考慮に入れれば「真相の究明を」という言葉は多分記者か弁護士の変な入れ知恵を菅家さんが「言わされている」可能性も十分考えられるが、入れ知恵するならもっとマシな言葉を教えてやれよなーと思ってしまう。
菅家さんそれ全然適切な言葉じゃないから!私みたいな人がカチンとする言葉だから!
尚、私はこの事件の犯人は菅家さんしかない!と主張したいわけでは全然ないし、菅家さんが真犯人と目された理由についてはいろいろな悪条件(知能レベルだけが悪条件だったわけではないんだよ)が重なったという点で、もし菅家さんが完全にシロであるとすれば悲惨な話だと思う。
ただ、知能の点に着目した結果、菅家さんを完全に被害者と見なして警察叩きをしている人には同調できないし、改めてDNA鑑定を行った結果として遺体に付着した体液が菅家さんとは別人のものであったという事実だけを挙げて、菅家さんは無実だった、これは冤罪事件であったと主張する人たちにはまったく同調できない。
なぜそういった形で菅家さんに全面同情ができないかという理由については聞かれたら答える。
菅家さんに同情的な態度でなければ人間でなし、という人にはさすがに回答しかねるけど。

今のところ、再審で菅家さんが間違いなく勝ち取れるであろうものは、「精度の低いDNA鑑定によって菅家さんを真犯人と断定した当時の警察・検察の捜査態勢はずさん極まりなく、この時点で菅家さんを真犯人と断定したことは誤りであった」ということくらいじゃないのかな。
あと当時の警察の取り調べに行きすぎがあった、とか。
多分警察はそれで謝ってくれるだろうし、いくらかの賠償金は確実に取れるでしょう。
でも、それ以上の判決を勝ち取るのはかなり難しいと思うなぁ。
何せやっていないことは証明できない、それは「悪魔の証明」と呼ばれるもので、菅家さん側が「無実」や「冤罪」をいくら主張しても、法的にそれを認めさせるのはかなり難しいんじゃないかと。
菅家さんが取調べを受けた時点に遡って、菅家さんが取調べを受けたこと自体が「不合理」であったと主張できるだけの証拠がないと、「無実」「冤罪」を勝ち取ることは無理じゃないかね。
でも、当時犯人とアタリをつけられて警察にしょっぴかれて取調べを受けた人は他にも結構いるから、菅家さんだけ「不合理かつ意図的」な取調べを受けたという証拠は出てこない希ガス。
繰り返すけど私は菅家さんが真犯人だと思ってるわけではないし、冤罪の可能性も十分考えられると思ってますよ。
ただ、「無実」と「冤罪」を勝ち取るのはかなり難しいと言ってるだけです。
「そもそも菅家さんを逮捕したのが間違い」と思う人は、菅家さんに逮捕を免れるだけの正当な理由があったことを示さないとー。
それって「知能レベルに著しく問題があった」だけでは正当な理由としては弱いと思うよ。
菅家さんは事件当時バスの運転手をしていたけれど、地域社会に馴染めず、傍から見ると不審者同然の目で見られていたという話。
でも地元にある養護学校、じゃなかった、自立支援学校(でもいまだに看板は「養護学校」のまま)の生徒たちを見ていると、バスの運転手ですら務まらないであろうって子が目立つ。
普通の中学生や高校生たちとは明らかに違うタイプの奇声を上げながら緑林公園の中を駅に向かって突っ走る生徒たちを見ていると(引率の先生はいるけど後ろから走って追いかけてる状態)、菅家さんはこの子たちよりはマシなんじゃないか?と思わざるを得ない。
いくら地元の人に不審者扱いされていたとはいえ、バスの運転手として働けるのなら、その程度の知的レベルでたまには仕事をしてる怪しげな人なんか東京ならいくらでもいるし、誰もそんな人のこといちいち気にしない(何せ池袋駅で男性がうつ伏せに倒れていてもみんなスルー)。
むしろ地域社会に溶け込めないってだけで人を不審者扱いする田舎の人がすげー怖いわ。
地域の人がそういう理由で「あの人がやったに違いない」と思っていたとしたら、そりゃ警察の不手際というより閉鎖的な地域社会に問題があったとしか言えんよ。
あと事件当時、菅家さんがすでに前科持ちだったことは、疑われるに十分な要素だったのでは。
「当時は前科持ちなんて珍しくなかった!菅家さんが特別疑われる要素としては不十分だ!」ということでしたら自分の認識不足を改めますが、とりあえず結構いい年の私でも前科持ちの人とは極力関わり合いたくない…前科持ち差別というより普通の人はそもそも犯罪起こさないんで。
別に菅家さんに悪意があってこんなこと言ってるわけじゃなくて、菅家さんの「無実」「冤罪」を勝ち取るのはかなり難しいんじゃないかねと言ってるだけなんだが、それでも菅家さんに全面同情して支援しないといろいろぶっ叩かれてしまいそうなのがなんだかね。
「菅家さんに泣き寝入りしろと言うのか!」と怒られたって、実際に「無実」と「冤罪」を勝ち取るのがすごく難しいような気がするから、私としてはどうしようもない。
権力に立ち向かうのが困難なんじゃなくて、司法的解釈で難しいんじゃないかと。
菅家さんの「無実」と「冤罪」を勝ち取るためには、そして「事件の真相」を明らかにするためには、菅家さん以外の真犯人を挙げなければどうにもならんのじゃないかという話。
もしかしたら「無実」と「冤罪」は温情で勝ち取れるかもしれないけど、それはシロではなくグレーのまま解放されるということ。
グレーでもいいから無罪を勝ちとるんだ!というつもりで応援している人が多いならば別にこんな横やりみたいなこと言う必要はないんだが、私としてはグレーなものをシロだと言いきってしまうことには抵抗があるので、もし菅家さんが「無実」や「冤罪」を勝ち取れたとしても、それは決してシロではないよと言いたかっただけ。
菅家さんが間違いなくシロだと言える時、それは真犯人が明らかになった時だけだよんと。

マスコミは大っ嫌いな国家権力叩きのために菅家さんを持ち上げまくり、ネットでは「知的障害者(と同程度の知能レベルの人)を罠にかけた卑劣な警察」と菅家さんが被害者で警察が加害者という揺るぎない前提で警察批判、向かうところ敵なしで絶好調の菅家さんだが、菅家さんが求めているものはあくまで自分の「無実」なのだから、「真相の究明」という言葉の選択は不適切だよ、と誰も突っ込まなさそうなところを突っ込んでみた。
別に菅家さんの責任ではないが、ここに至って真っ白な「無実」「冤罪」を勝ち取ることは不可能に近いですよと言っておきます。
あと広義の知的障害者(知的レベルに問題がある人)って日常生活において実際どういった点で困っているのか、どういった苦しみを感じているのか、どの程度外部の世界を認識できているのか、という実態が全然わからないので、知的障害者ゆえのハンデとか苦しみとかがまったく理解できないのに「可哀想」みたいなこと言っちゃうのもすごく安直な気がして…。
ちなみに障害者枠の求人を出している企業の中で優先順位は「身体>知的>精神」、精神の場合はそもそも障害者枠の中でも最初から外している企業が多いので、社会的に恵まれているのは知的のほうなんですよ~。
ま、仕事できる・できない以前にちゃんと出社してくるかどうかすら怪しい精神を雇いたくない企業側の気持ちは大いに理解できるので仕方ないことだとは思っていますが。

◇10月24日追記◇

菅家さんが前科持ち、という記述は伝聞に基づくものでしたが、コメント欄でご指摘を受けたため、足利警察署、及び産経新聞社に確認した結果、「前科の有無は警察として発表できない」「新聞社として報道できることではない」という回答が得られたため、裏付けのない情報であったことが判明しました。
根拠のない情報により、公開ブログで誤った記述をしてしまった点を深くお詫び申し上げます。

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by yuzuruha_neko | 2009-10-21 23:35 | 今日のニュース・雑考
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