都合良く海外基準を持ち出そう!-ヨーロッパの消費税-
以外に日本人だけ知らない日本史/デュラン・れい子(講談社+α新書)

とりあえずタイトルに目を留めて中身をパラパラ読んで購入。
選定基準としたのは、「昔の日本人は素晴らしかった」という手のもの(興亜論的なもの)に被れていないこと、そして「日本人とは」という民族意識があまりないこと。
国際結婚した女性の体験談本が流行っているので、便乗本だったら買いたくないな、とか。
結果、タイトルはあんまり内容に合ってないというか不適切だったような気がする。
これだと「最近流行りの愛国主義ね」と読まずにスルーする人が多そうだから。
ヨーロッパ人男性と結婚した日本女性(文章に見合わずご高齢の方)が、ヨーロッパ各地で体験した「日本人としてはビックリ!」なお話をまとめた本。
と言ってしまうとなんか流行りに乗っただけの軽薄な本だと思われそうだが、塩野七海をうんと読みやすくした感じ、と言えばご理解頂けるだろうか。
ま、筆者は偏った政治思想に被れていないし、感性が非常にフレッシュ、ヨーロッパの文化に対して敬意を払った上で決してヨーロッパ礼賛にはならず、日本人としての道徳も良識も持ち続けており、良書であると評価。

私が無知なだけかもしれないが、欧州(以降めんどくさいので欧州と書く)の消費税って日本よりずっと税率が高かったのかー!ということに一番驚いた。
だって日本と言えば後進国で世界基準に比べてどうのこうの、と言われるじゃないですか。
今回の政権交代に少なからず影響を及ぼした消費税の税率アップの問題が、欧州基準で見ると「赤ん坊に水をあげるかミルクをあげるか」程度の瑣末な問題にしか思えない。
欧州における付加価値税(日本で言う消費税)の高さにインド人もびっくり。
フランスでは19.6%、ドイツも2006年に16%から19%に税率引き上げ、スウェーデンだと25%!ありえねー税率だー!
(2009年7月発行の本なので、あまり時差はないはず)
とは言うものの、各国で生活必需品などは減税されている。
あと消費税じゃないけど、不動産の上昇率に合わせて税金が決められる、キャピタル・ゲイン(資産値上がり益)という税金があるそうだ。
自分が住む目的で土地や家を買い、15年以上持ち続ければ税金はかからなくなるが、それ以前に売った場合は課税対象となり、さらに外国人だと税金がかなり高くなるらしく、著者は売却価格の約2割が持って行かれたとのこと。
いやおフランス侮れん。
筆者はバブル時にこの税制を導入していれば日本は税収がどれだけ上げられたことか、として逆に「こういう税金が日本では甘すぎるのではないか」と疑問を投げかけている。
どうも北欧に限らず欧州ではかなりの課税で高負担高福祉社会になってるようだね。
何かいい表がないかとグーグルで探したんだけど見つからなかった。
けど、2006年の記事であるが、わかりやすくまとめた上で表もついている記事発見。


掲載日: 2006年 04月 11日
消費税が20%に?! ヨーロッパに学ぶもの

http://allabout.co.jp/career/worldnews/closeup/CU20060405A/
http://allabout.co.jp/career/worldnews/closeup/CU20060405A/index2.htm

景気が回復した、という悲しい文章に堪えてお読みください(転載すると長いので)。
2ページ目の一部を抜粋します。


さてこの付加価値税ですが、ヨーロッパ諸国ではどこもとても高い税率になっています。一例を挙げますと、付加価値税発祥の国であるフランスは19.6%、ドイツは16%、イタリアは20%などです。さらに福祉先進国のスウェーデンでは、なんと25%もの付加価値税がかかるのです。

これだけ高いとさぞかし庶民の生活は苦しいのだろうと思ってしまうでしょうが、実際はそうでもありません。というのも、付加価値税の基本税率は高くても、生活必需品の税率は低く抑えられているからです。こういった点は、日本もこれから学んでいくべき点かもしれません。


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ではイギリスの例を見てみましょう。イギリスの付加価値税の標準税率は、17.5%です。つまり、一般的に物を買ったら17.5%の間接税がかかることになっているのです。ですが、生活必需品になると軽減税率が適用され、17.5%も払わなくていいのです。その軽減税率は3段階もあり、必要度が高い物ほど税率が低くなっています。

生活に最も必要な食料品や、新聞・雑誌、電車・バスなどの交通費は、ゼロ税率といって付加価値税は全くかからなくなっています。これによって、庶民の生活の中ではあまり負担感が大きくならないようになっているのです。

それから医療、教育、郵便などは非課税です。これも付加価値税がかからないという意味なのですが、ゼロ税率とはどう違うのでしょうか?それは小売業者の仕入れ額に対する控除の違いになります。これらの違いについては一般の消費者はあまり関係ないので、深く考えなくてもよいでしょう。

そして家庭用燃料や電気代は、5%の軽減税率が適用されています。以上のように、イギリスの付加価値税率は17.5%であるのですが、庶民の生活にはあまり負担がかからないようになっています。



日本の消費税に比べてなんと素敵な消費税!特にゼロ税率品の素晴らしさ!
なんか、要するに車とか服とかレジャー施設での遊行費とかがバカ高いということか。
これなら日本人も消費税の税率引き上げに納得できるような気がする。
私は消費税の税率を上げないことにはどっちみち立ち行かなくなる、と考えてるが、贅沢品の税率を上げて食料など最低限の生活必需品に対する税率は上げないほうがいい、とも思っているので、おフランスや紳士の国の消費税はかなり魅力的に見える。

まあしかしながら、この記事の筆者の言うとおり「海外がそうだから」に惑わされてはいけないということが一番重要だと思います。


このような生活必需品に対する軽減税率を導入すれば、たとえ消費税が10%、20%になっても、庶民の生活はそれほど苦しくはならないのです。しかし、政府関係者の中には、ヨーロッパ式の軽減税率制度を導入したがらない者もいます。その理由としては、結局軽減税率を導入すると、たとえ基本税率を上げても税収はあまり増えないからです。結局、政府としては税金による収入をなるべく上げたいのです。

「軽減税率付きで消費税を上げるくらいなら、最初から贅沢品だけに課税した方がいい」という人もいます。それは1つの意見でしょう。ただ一般の消費者が覚えておいた方がいいのは、ヨーロッパでは付加価値税率が高くても、ちゃんと市民生活に負担がかからないような工夫がされているということです。「海外では高いから日本も消費税を上げるべき」という言葉だけに惑わされず、生活が苦しくならないような増税を政府に望むようにしましょう。



まあ多分どんな事情であっても「増税を政府に望む」日本人はいない気がするけど。
国家が生活の土台を支えていてくれることを失念し、税金というものは国が盗んで行くもの、国は何もしてくれない、したがって政治家は税金ドロボー、これ以上ビタ一文たりとも税金払わねぇ!という被害者意識に凝り固まった日本人には、建設的な税制などを考える余地はないしね。
外国人が増えて治安が悪化した!とか言うけどさ、不法滞在者を通報すると何万円か貰えるし、少なくとも今の段階で米国や欧州ほど移民流入による治安悪化は全然進んでいない。
凶悪犯罪事件が増えたと言われても、実際犯罪件数自体は減ってきているし、池袋や秋葉原のような通り魔大量殺人だって、ご遺族には大変申し訳ない物言いだと思うが、あれ凶器がマシンガンだったらもっと犠牲者は増えていたと思う。
家の扉に施錠しない田舎の人の神経はわからないが、あと大阪のような街だと通用しないと思うが、とりあえず女性が夕暮れ以降も独り歩きできるなんて天国じゃないの?
誰がそういう暮らしを守ってくれているのかと言えば、警察や国なんだけど。
(もし武装した隣組が守ってくれている地域があったらすみません)
しかし現状に不満しか持てない人は、とりあえず今の暮らしを当たり前に享受できるのは腐っても国のお陰である、という事実に目を向けたほうが精神的にもいいと思います。

ちょっと脱線したが、どんな国にも見習うべき制度は多々ある。
しかし、それをそのまま安直に日本に持ち込んできちんと運用ができるのか?ということは熟考すべきであり、気候や風土、何より精神性において異なるメンタリティを持つ民族が、先進国という括りで足並みを揃える必要が必ずしもあるわけではない。
とりあえず高速道路原則無料化で欧米では無料なのに、と言う人と、有料化が世界の潮流だ、という人はどっかにまとめて各国の高速道路料金対比一覧表を置いて欲しい。

しかしグーグルでヨーロッパ 消費税で検索したらかなり笑えた。

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めんどくさいので各ページ見てませんが、普段は「欧州を見習え」という日本人が、欧州の消費税に関しては「見習うな!」と一生懸命アピールしてるあたり、リアルに吹きました。
つか欧州の消費税(付加価値税)に対するまともな見解ページが上位にないのもスゲー。

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by yuzuruha_neko | 2009-09-19 03:19 | 今日のニュース・雑考
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