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誰が「悪い奴」なのか
自分は正しい、自分は善である、それを証明するために悪玉を祭り上げる。
実際にその「悪玉」とされる者が何をしてきたか、そんなことはたいした問題じゃない。
悪玉を糾弾することによって、自分が善玉側の人間であるとアピールできればいいのだから。
悪玉を打倒しようなんて、実は真面目に考えていない人がほとんど。
あいつは悪い奴だー!と叫ぶことで、誇らしげな気分になったり溜飲を下げたりするだけ。
本当に悪い奴なら退治しなくちゃいけないはずなのに、彼らは別に問題解決を望んではいない。
自分が善人であることを見せ付けるために悪玉を糾弾するだけなのだ。
誰かが泣いていても、泣かせたことを責めるばかりで泣いている人を泣き止ませようとはしない。
自分の正義のために、ここぞとばかりに悪人を責めたいだけで、泣く人を救う気なんてない。
だから私は「正義」を盾に悪玉の側の者を責める人間が嫌いだ。
ありがちな「悪玉」は、米国であったり日帝であったり体制であったり男社会であったりするが…。
これらの悪玉を糾弾する人間には、その悪玉をやっつけた後のビジョンなんかない。
破壊を望むが破壊した後の創造のビジョンがない人間なんて、テロリストと同じじゃないか。
自己正当化・自己満足のための正義とテロ、どちらも反吐が出る。
悪玉を糾弾する人が本当に救いたいものは自分自身のプライドではないだろうか。
悪玉に虐げられる可哀想な被害者を救いたいわけではなく、自分が救われたいだけ。

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誰かを救いたいと思ったら、私はその人が救われるために必要なことを考えたい。
泣かせた人を糾弾しても、その泣いている人の悲しみが癒され涙が止まるわけじゃないんだし。
そのための手段が決して“きれい”ではなくても、本当にその人の悲しみをなくしたいと思ったら。
誰かを本当に救いたいとき、多分「正義」や「悪」なんてどうでもよくなると思う。

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反米厨を見ていて思ったわけだが、一般論として通用しそうなので反米に限定せず。
悪玉を作って糾弾する、ということ自体はわりとどこにおいても見られる現象でしょう。
by yuzuruha_neko | 2006-07-01 22:38 | 今日のニュース・雑考
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