人気ブログランキング | 話題のタグを見る
永世中立国スイス -平和のためにある軍隊-
私のスイスに対する認識や関心は非常に薄い。
あまりニュースでもスイスの話なんて出ないし、(私にとっては)特に興味を引くような文化・風習も(知ら)ないので。
スイスといえば、「永世中立国」と学校で習った程度の事しか知らないのです。
小学校の社会科でしたかね? そう習ったのは。
もしまた世界で戦争が起きたとしても、どこの国の敵にもならないし味方にもなりません。
スイスは独立を守って決して戦争に加担しないのです!
というようなニュアンスだったと思う。
しかしながら当時の私には、それが現実の世界の本当の話である、という臨場感のようなものが全然持てませんでした。
嘘だと思っていたわけではないし、教科書に書いてあることだから本当だと思っていたけれど(教科書に書かれてある事が嘘だなんて普通子供は思わない)、現実味がないと言うか、絵空事の世界の話にしか思えなかったんですね。
別段そのあたりの白黒をはっきりさせなければいけないほど授業でも熱心にスイスの事を取り扱っていたわけではないし、私も興味を惹かれなかった。
テストの重要ポイントになる事もなかったので、自分自身の中では「スイスって摩訶不思議な国だなぁ」と折り合いをつけていたと思います。
現実味が持てなかったせいか、スイスという国に対してほとんどイメージングできるものがありませんでした。
結構いい年まで(高校くらいまでかなぁ?)スイスといえば「アルムのもみの木」や「きれいな湖水のほとり」しか連想できなかったのです。
知らない人もいるかと思いますが、ブレネリは小学校で習った歌。

 おおブレネリ あなたのおうちはどこ?
 わたしのおうちはスイッツランドよ
 きれいな湖水のほとりなのよ
 ヤッホー ホトラララ…♪

という歌詞の歌です。アルプス一万尺のような歌でした。
現実には同時代の文明世界で欧州の中でもクリーンで先進的である(というイメージも同時に持っていた)スイスと我々日本人の生活水準がさほど違っていたとも思えなかったのですが、でもどうしてもスイスという国の具体像が描けず、微小なレベルではありましたが「緑の山々」と「先進的」というふたつの相反するイメージが噛み合わず、私を少々悩ませていた国でもありました。
永世中立って本当に有り得るの?
自分達は戦争したくなくても相手が聞いてくれなくて無理やり攻めて来たらどうするの?
それがどうしても心の中に引っ掛かって消え去らない黒点のようなものでした。
ハイジやブレネリの国に、他の怖い国の軍隊がやってきたらどうしよう…。
光明が差したのは、インターネットを始めてから様々なHPを見て回るようになって、スイスが国民皆兵の徴兵制度を採用している国だったという事を知った時でした。
怖い!兵役義務があるんだ! しかも国防軍備は万端で鉄壁の要塞っぽい!?
軍事に関しては素人だし興味もないのでそれ以上マニアの領域まで足を突っ込もうとは思わなかったけれど、初めて「永世中立国スイス」という国が俄然現実味を持って私の前に降臨したような感じ。
やはり永世中立の看板を掲げるだけの“実”があったんだ!すげぇや!
EUに加盟していないという事で、本当に本物の中立だし。
最近この国民皆兵政策を見直しするという話もあるようですが…。
そうだよね~、「うちは戦争しませんからね!」と言っても相手が聞いてくれるわけがないという事は、世界史の勉強をすればバカでもわかる。
自国が戦争をしたくないなら他国の侵攻を許さないだけの軍備は必要だわ。
当たり前の理論に納得。

何を言いたいのかと言いますと、無知で物事の分別もつかず判断力がない子供でも、あまりにも現実離れした絵空事のような話に対してはそのリアリティーのなさに違和感を覚え、「なんとなく本当の話じゃない」と妄信する事ができない、という事です。
嘘じゃなくても本当じゃない話ってあります。
子供に真っ赤な嘘を教え込む事は、意外と簡単な事ではないのかもしれません。
学校(と言うか自治体かな?)も、あまりにも偏向しすぎた教科書を採用するよりも、一応本当の事しか書いていない教科書を採用したかったのかもしれない。
ただ事実の順番や取捨選択にちょっと工夫をすれば、ミスディレクション【misdirection】を誘う事は簡単ですよね。
あとは教師の方向性次第でどうとでも料理できます。
親や社会、メディアの影響も大きい。
軍国主義や帝国主義は確かにいけませんよねー。
でも軍備の増強と軍国主義はイコールじゃない。
「平和のための国防政策」をスイスに見た。
徴兵制なんて私は嫌ですけれどね。
だから自衛隊を国防のための軍隊として認めてしまえ、=国民を守るためのプロフェッショナル達に対して敬意を払うべし、と思います。
自衛隊を「役立たずのごく潰し」と罵る人達は、彼らにどれほど自分達の身の安全を保障してもらっているのかわからないのでしょうか。
いざ困った時に泣きついても彼らはあなた方を救ってくれるんだぞ?
それが仕事であり使命だからさ。

ちなみにスイスの公用語は独語・仏語・伊語の三ヶ国語だそうです。
これも知らなかった。
アーデルハイドという名前はドイツっぽいと思っていたが、イタリア語までとは…。
日本人に馴染みがない国だよね、スイスって…。
イメージだけが先行している感じ。
小学生の頃、星占いの本に「新婚旅行はオランダに行きましょう」と書いてあって、オランダと言えば風車とチューリップしか知らなかった小学生にとっては「なんでオランダ??」と全然嬉しくない気分でした。
当時はアンネ・フランクもドイツに住んでいた人だと思っていたの。馬鹿ですね。
スイスや各国の国防事情についてもっと知りたい人は自分で勉強してください。
今回の記事は題材としてスイスを取り上げただけで、スイスという国への造詣を深めるとか軍事的な専門知識を披露したいという主旨の記事ではありません。
だって知らないんだもん、ほんと。
ただの思い出話です。
by yuzuruha_neko | 2004-12-29 22:33 | 今日のニュース・雑考
<< おやまあ 正義感と善意に憎しみを覚えた >>