アラファト議長死去/「イラクの平和」を考えてみた
昨年秋頃MEMORIZE日記で「イスラエルは世界の火薬庫!」という週刊誌のアオリ風記事を書いた時には内心おっかなびっくりヒヤヒヤしていました。
だってその頃は(今と比べて)そんなに政治色が強い日記じゃなかったし…。
MEMORIZEではそういう「いかにもブログ」っぽい文章の日記をあまり見かけなかったし。
同時に「北朝鮮はテロ国家」とも書いたけれど、別に間違った事を書いていたわけではなかったので、そんなにオドオドする必要もなかった事でしたね。
アラファト議長の逝去で中東情勢がどう転ぶか、気が気ではありません。マジで。
湾岸戦争あたりから中東はキナ臭く嫌な火種が燻り続け、9/11世界を震撼させた同時多発テロ事件から一気に劫火を噴き上げ一向に鎮火する気配を見せません。
今は米軍によるファルージャ制圧作戦でさながら地獄絵図になっている事でしょう。
速やかに、民間人の犠牲を最小限に食い止め作戦が成功する事を祈ります。
これは決してアメリカによる武力解決を望んでいるという意味ではありません。
実質上執政能力のない無政府国家、というイラクの現状をこれ幸いとばかりに利用して、無差別テロ行為や残虐非道な犯罪行為を繰り返す武装勢力=犯罪集団を一掃制圧する事がこの作戦の目的のはずです。
これ以上イラク国内を荒廃させないためにも、ここで何としても米軍には責任を持って武装勢力を一掃してもらわなければ困るのです。
…で、その後アメリカが中東の覇権に色気を出したら?
その時イスラエルが怖い。
私が一番恐ろしい国家はやはりイスラエルです。
被虐民であったという自意識が肥大して、彼らは今やカルト宗教的な嗜虐民になっています。
近年のアラファト議長は政治的な力もカリスマ性もほとんど失くしていたと思いますが、彼の後継者がいない今、彼の死は今後の中東情勢の混沌を予感させる暗澹たる出来事でした。
イスラエルの背後にアメリカがいる。どうなるんだろう、中東は。

以上自分の不安語りでした。

ところで今回のファルージャ制圧作戦に関して(それだけじゃないですが)
「過激派テロリストの行為はアメリカに蹂躙されたイラク国民の怒りの総意による行動である。
それをさらにアメリカは武力で制圧し、罪もないイラクの民衆を片っ端から虐殺している」
要約すればそんな背景を主張するご意見もありますが…。

モスルで混乱拡大 政党襲撃、警察幹部射殺も

【バグダッド12日共同】イラク駐留米軍は11日夜、イラク北部モスルで警察署6カ所や米軍施設などに対して武装勢力が同日、一斉攻撃を行ったことを受けて、市内の武装勢力の拠点を空爆した。ロイター通信が伝えた。
米軍当局はモスルでの11日の戦闘で米兵1人が死亡したことを明らかにした。
またAP通信によると、モスルでは12日、有力クルド人政党、クルド愛国同盟(PUK)の本部事務所が襲撃され銃撃戦となったほか、地元警察の捜査幹部が射殺された。こうした中、モスルを中心とするニナワ州の警察本部長が解任され、治安維持に失敗したことが理由とみられている。
中部ファルージャの大規模な掃討作戦をきっかけにイラク各地で武装勢力の攻撃が激化しており、PUK幹部はファルージャから多くの武装勢力がモスルに流入していると指摘。ニナワ州知事は10日、モスルに夜間外出禁止令を出していた。

(河北新報社ニュース 2004年11月13日)

バグダッドで車爆弾テロ、17人死亡 モスルでも騒乱

イラクの首都バグダッドの繁華街で11日、車爆弾が爆発し、ロイター通信などによると少なくとも市民17人が死亡した。イラク第3の都市、北部モスルでも武装集団が警察署を襲って武器を奪うなど、米軍のファルージャ総攻撃に反発した騒乱が一段と広がっている。
バグダッドの車爆弾テロは午前11時半(日本時間同日午後5時半)ごろ、外国メディアが拠点とするパレスチナホテルから約300メートルの繁華街で発生。渋滞中の車十数台が炎上、破壊された。負傷者は20人以上。パトロール中の警察官か、米国人の乗った車を標的にしたと警察は見ている。
首都には夜間外出禁止令が出ているが、10日夜にも文化省のそばの警察検問を狙った車爆弾で10人が死亡。都心は連日、テロにさらされている状態だ。
AFP通信によると、モスルでは11日、覆面をした男たちが市内6カ所の警察署に押し入り、武器や弾薬を奪って建物に放火した。武装した集団は主な橋を警戒中の米軍を攻撃した。10日にも武装集団の襲撃があり、外出禁止令が出ている。
また北部キルクークでは州知事の車列の近くで車爆弾が爆発。暗殺を狙ったと見られる。知事は無事だったが、周囲にいた16人がけがをした。
4日目となったファルージャ総攻撃で米軍は市南部に激しい砲撃を加えた。市北部をほぼ制圧し、残りの地区から武装勢力の掃討をめざす「第2段階」に入ったと米軍幹部はAP通信に語った。

(asahi.com 2004/11/11 22:45)

ファルージャから北部へ散った武装集団、その土地の人々にとっては迷惑この上ないですね。
破壊行動の限りを尽くしています。
どう見てもイラクに平穏を取り戻したい行動じゃないし、こんな連中をレジスタンスと呼べるのでしょうか?(私は最初っから呼んじゃいないが)
こんな武装集団がイラク国民の意思を代弁しているなんて思えない。
もちろんイラク国民の中には米軍、及びアメリカという国を憎む人々は大勢いるでしょう。
しかし、戦禍の中におかれた人というものは、戦闘行為で自分達の生命を脅かすすべてのものが憎いのではないか?と私は想像します。
圧政者・サダム・フセインも当然憎まれていたでしょう。
「人間の盾」の人々も、わざわざイラクまで赴いてアメリカからサダムを守っていた憎い外国人。
何もかもが憎くて、虐殺や銃弾に怯える事のない「平和」を切望している人々がいる。
「大国の利欲とエゴ」とアメリカを非難して、「彼らはアメリカの被害者だ」とイラクのテロリストを擁護する事で、イラクに「平和」は訪れるのでしょうか。
一旦銃を手に撃ち合ってしまえば、退く事は兵士にとって己の死に繋がる危険を冒すという事。
「銃を手放しましょう」と言うことは、米兵に「敵に撃たれて死ね」と言うも同然。
兵士だから死んでもいい、という理屈は、私には受け入れ難い。

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少々脱線を覚悟で。
「銃(武器)を持っているから撃たれるんだ」という人は、銃やナイフなどの武器で殺害された人が自らも武装していたかどうか、犯罪事件から裏付けを取っていますか?
世の中では数多くの命が突然の理不尽な暴力によって奪われています。
人間は食うためでも身を守るためでもなく他の命を奪います。
その非常に理不尽で難解な現象を前にしても「武器さえ手放せばいいのだ」というのは思考停止に他なりません。

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今はただ、イラクの荒廃を食い止めるためと信じて武装勢力の制圧を祈るしかありません。
無差別殺戮集団と化した武装勢力の無法が横行している限り、平和が訪れる事はない。
だったら誰がイラクに平和をもたらすかって?
平和は他人が「はいどうぞ」ってプレゼントするようなものじゃないのは確かですね。
ま、そもそも世界が平和であった事など人類史上ないしな。
目の前で奪われる命を嘆く事くらいしか私には出来ません。

イラクへ派遣されている自衛隊の方々は、私達の代わりにイラクの復興支援を行っています。
この混乱の最中、彼らが誰一人として命を落とさず無事帰還してくださる事を願っています。
いつ撤退したほうがいいかなんてわからないし、撤退がいい事なのかどうかもわからない。
でも、どうか無事に帰ってきてください。
私はあなた方の働きを誇りに思っています。
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by yuzuruha_neko | 2004-11-14 22:04 | 今日のニュース・雑考
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