裁判員の女神4
昨日、じゃなかった一昨日は予定通りトクボウ朝倉草平6巻バーテンダー16巻を購入しましたが、昨日コンビニで漫画サンデーを立ち読みしたら裁判員の女神4巻いよいよ発売!と書いてあったので発売日を確認しようと出先から書店に電話して聞いたらすでに発売済みで在庫は残り1冊ですと言われて慌てて取り置きをお願いして今日買ってまいりました。

裁判員の女神はたまたま書店で発見して「かわすみひろし氏のコミックス…!これは絶対に読みたい!」という衝動に勝てずに買ってしまった漫画です。
裁判員制度について決して否定的ではない(むしろはっきり肯定的と言って差し支えない)内容で、しかも原作者が家栽の人の人…。
嫌な予感ずくめでかわすみ氏の手腕だけを信用して買った本ですが、予想に反して被害者の人権も疎かに死刑制度の廃止を訴えるような胸糞悪いムカつく啓蒙書になってないあたりはさすがかわすみ氏だな~と感心しています。
必ず表紙に記載される「知らずに人を裁くのですか?」は副題と見なしてよいと思いますが、確かに「知る」ことに関しては、裁判員制度に限らず法曹界や検察の起訴システムについても大変有用な漫画であると私は思います、というか推薦に値する良書だと判断します。
裁判員制度に賛成の人も反対の人もまず裁判を知らないことには話にならんでしょう。
しかし、裁判員制度の是非はさておき、登場する被告人がすべて同情の余地ありキャラクターに描かれている点がどうにも気に食わない。
実際に被告に同情の余地があるかどうかは個人的な感想の範疇ですが、どこからどう見ても同情の余地があるとは思えない、と多数の人が感じるような被告だって星の数ほどいると思うのですが、そういう被告を登場させないのは扱うテーマとしては些かアンフェアな気がしますし、判決結果がいつも“良心ある裁判員”によって減刑になっている点もアンフェアな描き方ではないかと思うのです。
とりあえずまだ4巻までしか発刊されていない漫画なのでこの先を見守りたいと思いますが、政治家や検察・警察を殊更「悪人ヅラ」で描く必要性はわかりませんね。
4巻のテーマは「冤罪」で、冤罪立証の難しさを(もちろん漫画なので)読者にわかりやすく伝えていますが、裏表紙カバーに本書の説明として「国家権力によって濡れ衣を着せられてしまった***(被告の名前)」と記載してあり、嫌でも「国家権力」が目に飛び込んでくるレイアウト。
わかりやすく被告の逮捕理由が「警察・検察の腐敗によってスケープゴートにされた」だったから通るんでしょうけど、誤認逮捕ってそんな簡単な図式ばかりですか?
私は「国家権力」という言葉自体を非難がましくセンセーショナルに使う人は嫌いです。
「国家権力の暴走」が許されざることであって(今完全に立法府が国家権力を手に入れた歓喜から暴走しておりますが)、「国家権力」自体は批判される謂れは何もない、むしろ国家権力が存在しなければ、そこに国家や政府は非ず、ただの難民キャンプ地域でしかありません(むろん自ら武器を携えて護身するしかない危険地域です当然)。
細かいようですが「国家」を否定、あるいは批判する発言や言葉に全力で反感を示します。
あと「司法の冬」という言葉・事象自体を本書で初めて知りましたが、そりゃ司法がお花畑満開状態になって政治的な思想信条に基き政治運動家に無罪濫発してたらお花を根こそぎ抜くしかない。
放っておいたら遅かれ早かれ三権分立崩壊の危機を招きかねない異常な状態だったのに、お花畑を枯らしたせいで「良心ある裁判官が物言えなくなった」という説明自体が異常に思えます。
また、いわゆる職質に対しても「答える必要はありません」という回答は正解なの?
法的な強制力がなくても自分自身に後ろめたい記憶がない場合は「市民の安全と自治」の一環として警察に協力するのも市民の務めだと思うのですが、皆さんそのへんは警察に任せきりで市民としてノータッチいいの?
いきなり任意同行を求められたらさすがに理由を言って貰えないと迂闊に同行した挙句拘留というシナリオが頭の中を駆け巡ってしまうでしょうが、警察官や刑事さんに何か聞かれただけで不快感を催す人の心理がよくわからない。
市民の信頼と協力を得るためには常に丁重な物言いと態度を心がけて欲しいものの、どうも警察では接客作法やコミュニケーション術の習得を現場職員に義務付けてないらしいので、その点は早急に新人育成プログラムに加えるなどの改善を計って頂きたい個人的な警察への要望です。

かわすみ作品最古の記憶であるはまりんこはリベラルとは程遠い日本の伝統文化の系譜にあたる内容だったと思いますし、大使閣下の料理人の大沢公も一見リベラルに見えるかもしれないけど実際は「風変わりで余計な蘊蓄を垂れない頑固一徹料理人」という誠に日本の職人魂を体現しているキャラに見えたのですが、今後かわすみ氏がカリー化、あるいは太田総理化したら残念ながら好きな漫画家ではなくなるなー。

堅苦しい話は抜きにして右陪席のミッチーに萌えます。
人権派の阿部弁護士は鼻の穴に指突っ込んで鉤フックしたい奴です。
凶悪犯罪者断固死刑派の新聞記者は隣にいたら殴っていたかもしれません。
私自身は死刑制度廃止に断固反対、裁判員制度にも現状反対です。

弁護士漫画では弁護士のくずがやっぱりおもしれえ。


大使閣下の料理人(文庫版)全13巻セット 税込5,590円

◇司法の冬について◇
こんなのしか見つからなかったけど、こんなのが暴れていた時代の司法は今よりずっと怖い。

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by yuzuruha_neko | 2010-03-06 20:58 | 読書・漫画・TV
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